まぶたの手術
当院では、眼瞼下垂、内反症(逆まつげ)、霰粒腫などの手術を行っています。
眼瞼手術担当の専門医師が行います。手術は第4月曜日午後に行います。下記疾患以外にも外反症、睫毛乱生など様々な疾患に対して対応可能です。詳しくは当院までお問い合わせください。
眼瞼下垂
皮膚が弛緩したり、まぶたを上下させる筋肉の腱膜が弛緩したり、もしくはまぶたを上げる筋肉自体が弱っていることにより、まぶたの開きが狭くなってしまった状態です。瞳孔が隠れるほどまぶたが下がると、上方視野障害や視力障害の原因となります。加齢性のものの他、先天性や外傷、コンタクトレンズの長期使用によるものがあります。症状として、視野が狭くなったり、物を見るときにまぶたをあげようとして疲れたりすることがあります。
手術方法
手術は局所麻酔で行います。まぶたに局所麻酔の注射をし、皮膚を切開し、必要に応じて余分な皮膚を切除します。皮膚のたるみが主な原因となっている場合は、皮膚を切除した後に、再度たるむことが少なくなるように縫合をして終了します。筋肉の腱膜のゆるみが主な原因の場合は、ゆるんだ腱膜を短縮して修復します。最後に皮膚を縫合して終了します。
内反症
いわゆる「さかまつげ」の状態です。「さかまつげ」には睫毛が内側に向かって伸びるために眼球に接触してしまう睫毛乱生症と、まぶたをささえる瞼板が内向きになりまぶた全体が内向きになってしまう眼瞼内反症があります。いずれも眼球にまつげが接触するために、角膜(くろめ)や結膜(しろめ)に傷ができ、そのため異物感が生じたり視力障害が生じたりします。
小児の眼瞼内反症は成長とともに改善すること多く、経過観察をする場合も多いですが、程度が強い場合は手術適応となります。高齢者にみられる眼瞼内反症は自然治癒する見込みは少なく、症状が強い場合は手術適応となります。
本手術の目的はまぶたの位置、向きを改善することで、まつげが眼球に接触しないようにすることになります。
手術方法
まぶたに局所麻酔の注射をした後、手術を行います。まぶた全体が回旋している場合は、まぶたを正常な位置に保つ組織(腱膜)がゆるんでおり、腱膜を縫い縮めて治します。まぶたの表面のみがゆるんでいる場合は、まぶたの表面が外側に向いて、まつ毛が外向きになるように縫合します。まぶたを外向きにしてもまつ毛が眼球方向へ向くことがあり、その場合は内反しているまつ毛の根本から切除し、そのまつ毛が生えないようにします
霰粒腫
まつげの付け根に開口部があるマイボーム腺がつまることにより生じる塊(肉芽腫)を霰粒腫といいます。通常は細菌感染を伴いませんが、細菌感染をすることにより化膿性霰粒腫となる場合もあります。症状はまぶたの腫れやしこりを触れることとなります。
腫瘤が小さければ自然に吸収されることもありますが、大きい場合は手術で摘出する必要があります。細菌感染を合併している場合は抗菌剤などにて消炎をはかります。高齢者の場合は悪性腫瘍との鑑別が必要になる場合があります。
手術方法
霰粒腫の生じている部位・大きさによりまぶたの裏側(結膜)から摘出するかまぶたの皮膚側から摘出するかを判断します。比較的大きい場合は通常皮膚側に生じておりますので、皮膚を切開の上霰粒腫を摘出します。糸による縫合を行いますので抜糸が必要になります。結膜側から切開を行った場合は抜糸は必要ありません。切除手術で取り切れても他の場所から再発する場合があります。また、全て取りきれず、一部腫瘤が残存する場合もあります。通常は徐々に吸収されます。